43Street

先日から、ジミヘンの事をちょこちょこ書いているので、ずいぶん好きなのかと思われるかもしれない。
けど実は、ジミヘンって好きじゃないのだ。

ギター初心者の頃、中学の頃だけど、当時は明星とか平凡という芸能人本(アイドル本か？）があって、付録に「歌本」がついてたんだな。
曲の詩とともにコード譜や楽譜がついてる。これをアネキがたまに買ってたのだ。
で、このギターコードを押さえられるようになる事がギターを弾けると同意だったし、まわりもそうだったと思う。
丁寧なことに、ギターのポジションも書いてあって、そこを押さえてジャラーンとやればOKって訳だ。
みんなそうだと思うけど、第一関門は「F」のコードだ。
人差し指をピンと伸ばして、1弦から6弦までしっかり押さえながら、中指から小指まで全部使う。
6弦の1フレット、ようは人差し指の先が「F」すなわちルート音なので、6弦の音をしっかり出さないと「F」にならない。さらに1弦も「F」(ファの音ね）なので、これもしっかり出さないといけないという超絶な難しさだ。
まあ、練習すればなんとかなるんだけど、ここで挫折する人は多いね。

ちょっと話が逸れたけど、ギターを弾くにあたって、上記の事がすべてだったから、1弦から6弦まで全部綺麗に音を出すことが「うまい」という事であって、コードを弾くって事はそういう事だと思ってた。
だんだんギターに慣れてきて、「歌本」なんかがない曲は、自分で音をとって、「これはどう押さえるのかなぁ・・・」ってやるしかないんだけど、ジミヘンのレコードをかけながら、音を取ろうとしても、ぜったい取れないのだ。
だって、チューニングが合ってないんだもん。ジミヘンが。

「なんだ、こいつ、適当に弾きゃぁがって！！」
と、もぉ～わけわからんくてジミヘンが嫌いになっていった訳だ。

で、ロックのギタリストってかロックの曲で1弦から６弦までジャラーンと弾くなんて事は、まったくないって事に気がついたのは、ずいぶん先の話。
ファズとかディストーションとか、とにかく歪んだ音でジャラーンとか、ジャカジャカ弾くと音が潰れてしまって、なにやってんだかわからんからね。
ま、１度(ルート音）と５度（Cで言えばドに対するソの音）の２つだけでも上等で、パワーコードって言うんだけど、それしか弾けないロックギタリストも多いと思う。
このパワーコードのスバラシイ所はメジャーもマイナーも関係ない事だ。
だって、メジャーかマイナーかを決める３度の音がないんだもん。
まあ、そうやって歌本なんかなくてもロックの曲もだんだんと弾けるようになるんだけど、相変わらずジミヘンは弾けないんだな。

もう、嫌いだ！ジミヘンなんて！
ってなる訳だ。

ところが、最近になって、スティーブレイボーンとかジミヘンがたまに弾く「歪んでない」ストラトの音。
歪んでないって言うと語弊になるけど、最近ではクランチとかクランチトーンとか言うね。
これが、好きになってきてね。

最近ですよ、ジミヘンがいいなって思うようになったのは。

Little Wingなんて、デレク＆ドミノス（ってかクラプトン）やスティングの方が全然イイじゃんと思ってたからね。
でもね、ストラト持ってる人は、このジミヘンのLittle Wingが教科書のようになってるんだね。
知らんかったけど。
実際、めっちゃ難しいんだけど（私も未だ弾けないけど）、これが弾けるとかっこいいんだよな。
前述の「Angel」も同様だね。
ギターをポロロンって弾くとき、Little WingやAngelだったら、スゲェーッ！！
って思うだろうな。俺だけかな。

ま、そんな感じで歳をとるとともに好きな物って変わるんですね。

さて、今夜はクリスマス。
みなさんも、楽しいクリスマスを！