55歳からのハローライフ

43Street

2018年02月21日 14:00

村上龍著 「55歳からのハローライフ」 読了

中高年が主人公になる5編の短編集。
54歳で離婚した主婦、
ホームレスになった中学時代の同級生、
早期退職したものの再就職に苦労するサラリーマン、
夫よりも大切なペットを失った女性、
トラックドライバーの老いらくの恋・・・
私ぐらいの年齢になると(来年60)どの話も身につまされる話。

ここんところ、同年代の連中と飲むと、だいたい定年の話になる。
60で一度退職し、そのまま再契約、再雇用というケースが多いようだ。
私自身は、すぐにでも仕事を辞めて好きなことをやって暮らせたらどんなに良いだろうと思う。
貯蓄は無いが、ローンは無いし、子供たちも独り立ちしてるし、年金を貰うのはまだ先だが、細々と暮らしてくぐらいならなんとかなるんじゃないかと、淡い期待をしている。
この本読むと、そんな簡単な事じゃないって事が解る。
再就職なんて絶対無理だろうし、今、やりたい事、時間が欲しいと思ってる事、それらの事は実際にそういう立場になると、まったく変わるんだろうな。
自分の父親を見てても感じた。
定年ぐらいの歳の時は、絵をかいたり、本を読んだり、自分の時間と夫婦の時間と趣味の時間を大事にしていたが、そんなのほんの数年の事で、体の衰えとともに何をするにもやる気が出ないんだそうだ。
テレビを見てても、新聞を読んでも、内容が頭に入っていない。
ただ一日中、ぼんやり見てるだけだ。
私から見たら、それが一番羨ましと思うこともあったけど、そのうち、からだが壊れ、そのまま・・・
今の時代、一般的にはそういう人生が普通なんだろう。

我々の年代の人にはお勧めするが、若い人にはお勧めできない本でした。

それにしても村上龍なんて久しぶりに読んだな。

関連記事